京都大学 工学部地球工学科 環境工学コース Undergraduate Course Program of Environmental Engineering
  • 京都大学
  • 京都大学 工学部
  • 京都大学 工学部 地球工学科
吉田キャンパス エネルギー環境学 COURSE KEYWORD:エアロゾル,大気環境,隠れた環境負荷,ライフサイクル思考

人間活動に伴う二酸化炭素や大気汚染物質などの環境負荷や、影響をグローバルな経済活動との関わりから評価するとともに、黄砂の輸送過程で新たに生まれる有害物質のメカニズムについても調べています。

PM2.5だけではありません。大気に浮かぶ微粒子の不思議や私たちと環境の隠れた関係を見つけてみませんか?Support the living, To be in harmony with the environment
  • インドネシア泥炭火災地における野外観測インドネシア泥炭火災地における野外観測
  • 国立環境研究所での研修風景国立環境研究所での研修風景
  • 全国および東京近郊における二酸化窒素濃度分布(2010年平均値)(単位:ppb)全国および東京近郊における二酸化窒素濃度分布(2010年平均値)(単位:ppb)

大気中に浮かんでいる微粒子をエアロゾルと呼びます。エアロゾルは人の健康から気候変動に至るまで、我々の暮らしに大きな影響を及ぼしています.その影響評価にあたっては、エアロゾルの濃度、大きさ、化学組成などの情報(性状)や、エアロゾル上で起こる化学反応の理解が重要です.本研究室では特に日本を含むアジア地域のエアロゾルに着目し、中国から日本に運ばれてくる間に起こる黄砂上での有害化学物質生成過程の解明、インドネシア泥炭火災エアロゾルの性状特性と変質過程の解明、大気エアロゾルによってもたらされる健康影響の評価などを行っています。

製品の環境への影響は、例えば自動車の走行時の排ガスだけでなく、原料となる鉄鉱石の採掘から廃棄までの一生涯(ライフサイクル)を通して評価することが必要です。阪神タイガースが優勝するとその経済波及効果が、**億円といわれますが、同じように現在のグローバルな経済活動に伴って、我々の消費がもたらす環境負荷や影響は、国際的な波及効果によって見えないところまで拡がりをもっています。本研究室では、人間活動に関わる隠れた裏側まで含むすべての過程を考えたライフサイクル思考に基づき、わが国の消費が諸外国の産業に誘発する環境負荷・影響(二酸化炭素、大気汚染物質や金属資源など)の構造、カーボンフットプリント、越境汚染による影響と各国の消費構造との関係などについて評価を行っています。

化石燃料の消費に伴って発生するエアロゾルなど大気汚染物質の多くは、大気中を輸送される過程で変質を受け、最後には直接または雲、降水に取り込まれて地上に沈着(落下)します.本研究室では、国内を含む東アジア地域を対象とし、それら大気汚染物質の排出量の推計を行うとともに、計算機を用いたシミュレーションにより大気汚染物質の輸送、反応、消滅過程や環境中での分布を再現・予測し、大気汚染物質がおよぼす影響の評価に役立てようとしています.また、大気汚染物質濃度を常時測定している測定局のデータを用いて、大気環境や人への健康影響評価を目的として、高解像度で地域の濃度分布を推定するための研究を行っています。

東野進教授 Professor Susumu Tohno
在学生の声『知識の吸収を通じて将来のビジョンを掴む』