京都大学 工学部地球工学科 環境工学コース Undergraduate Course Program of Environmental Engineering
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原子炉実験所 放射能環境動態 COURSE KEYWORD:環境調和型産業論,流域水環境管理論,沿岸生態系保全,有害微量化学物質管理,途上国水環境衛生

放射能等の汚染物質の環境動態・安全評価・環境浄化の研究をしています。研究の推進力は「現場」です。

放射能等の汚染物質の環境動態・安全評価・環境浄化の研究Support the living, To be in harmony with the environment
  • 放射性物質の環境中の分布を明らかにする野外調査放射性物質の環境中の分布を明らかにする野外調査
  • 放射性セシウム等による環境汚染の浄化放射性セシウム等による環境汚染の浄化
  • 砒素やアンモニア、有機フッ素化合物、腐植質有機物や環境ホルモンの汚染のある地下水・河川水・排水を浄化する研究砒素やアンモニア、有機フッ素化合物、腐植質有機物や環境ホルモンの汚染のある地下水・河川水・排水を浄化する研究
  • 放射線を活用した観測技術を使って、色々な汚染浄化技術の仕組みを明らかにする研究放射線を活用した観測技術を使って、色々な汚染浄化技術の仕組みを明らかにする研究

可搬型のゲルマニウム半導体検出器(写真1)によるガンマ線スペクトロメトリなどの手法を活用し、放射性物質の分布状況の野外調査を行っています。また、野外で集めた試料を実験室に持ち帰って、様々な方法で含まれる放射性核種を分析したりします。

福島第一原発事故の結果、東北地方を中心にして広く放射性セシウムによる環境汚染が起こりました。放射性セシウムは時間とともに放射性崩壊によって減少していきますが、それに加え水や土壌中の放射性セシウムは雨水などにより薄まったり、浸食されたりして、汚染の程度は放射性崩壊による減少以上に速く減ります。その一方、放射性セシウムは細かい堆積物や粘土などに吸着し、下水汚泥などのある種の廃棄物中に濃縮される傾向があります。私たちはそのような廃棄物の発生現地に行き(写真2)、その中のセシウムを取り出して濃縮する研究を行っています。

アジアの大河流域では、地下水中に地質起源の砒素などの有害な物質が含まれ、住民に大変な健康被害が出ています。私たちは鉄バクテリア生物ろ過法による水中の砒素除去技術を7年以上にわたり研究してきました。最近、その成果を生かして、砒素汚染に悩むベトナムの農村に本格的な鉄バクテリア法の浄水プラントを建設、村に給水しています(写真3)。また、非常に分解性の低い有機フッ素化合物、腐植質有機物や環境ホルモンの汚染のある水の浄化についても研究しています(表紙写真)。

研究室では色々な技術を使って環境の汚染の浄化をする研究もしています。本当に役に立つ浄化技術にするためには、本当に浄化ができているのか、浄化の仕組みはなんなのかを明らかにしなければなりません。このために放射線を活用した観測技術(X線吸収分光法、PIXE法)を活用しています。写真4は地下水中の砒素を鉄バクテリア生物ろ過法で除去する仕組みを知るためにX線吸収分光法による測定をしている様子です。

藤川陽子教授 Professor Yoko Fujikawa
在学生の声『様々な研究分野の仲間たち』