京都大学 工学部地球工学科 環境工学コース Undergraduate Course Program of Environmental Engineering
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桂キャンパス 環境衛生学 COURSE KEYWORD:環境汚染物質,健康影響,実験的・疫学的研究

環境中に放出された化学物質や粒子状物質による、人体への影響について評価を行い、人が健康に生活できる環境の提案をします。

人と環境との相互関係を明らかにし、人と社会の健康を守るSupport the living, To be in harmony with the environment
  • 無菌操作の様子無菌操作の様子
  • 気道上皮細胞が酸化ストレスを受けている様子気道上皮細胞が酸化ストレスを受けている様子
  • アトピー性皮膚炎モデルの作成アトピー性皮膚炎モデルの作成
  • マウス耳介厚の測定マウス耳介厚の測定
  • アトピー性皮膚炎症状アトピー性皮膚炎症状
  • 気温と熱中症による救急搬送との関連(年齢別)気温と熱中症による救急搬送との関連(年齢別)

現代社会の都市化、産業化、複雑化等に伴い、環境汚染とその社会及びヒトへの影響が危惧されています。環境汚染の健康リスクを評価するためには、ヒトとヒトをとりまく環境影響因子とその相互関係について十分な情報を収集し、現状の曝露量の推定、および、その影響について量的な関係や発現機構を研究することが重要です。
環境衛生学講座では、上記のような研究から健康リスクを総合的に評価する手法を確立し、人の健康被害を未然に防止し、さらに人の健康を維持増進することを目標としています。

実験的アプローチと疫学的アプローチを用いて、大気汚染物質の健康影響を総合的に評価します。
【実験的アプローチ】大気汚染物質には種々の成分が含まれますが、健康影響を規定する要因は明らかにされていません。一方、大気汚染物質の健康影響は、疫学的にも実験的にもアレルギー疾患や呼吸器疾患を有する集団に発現しやすいことが知られています。そこで、微小粒子・エアロゾル、黄砂、及びそれらに含まれる芳香族炭化水素や金属 などの大気汚染物質構成成分の健康影響について、呼吸器系、免疫・アレルギー系を中心に実験的に評価するとともに、影響発現機構を明らかにします。
【疫学的アプローチ】微小粒子状物質をはじめとする大気汚染物質や、近年関心が高まっている黄砂や越境大気汚染物質が人の集団に及ぼす健康影響について、環境測定データと種々の健康影響指標のデータを用いることにより定量的に評価します。

環境汚染物質の健康影響を低減するためには、発生源に対する対策と共に発生後の環境医工学的対策も有効と考えられます。一般環境に存在し、近年その健康影響が大きな社会問題となっている花粉等のアレルゲンや環境汚染物質を対象とし、環境医工学的にその影響を低減する試みについて検討します。

環境中の化学物質は日々増加し、生活空間にも普遍的に存在しています。高毒性物質の大量曝露による健康影響発現の危惧は減じていますが、低毒性物質の微量曝露による健康影響は未だ明かにされていません。可塑剤をはじめ、身の回りの環境化学物質の健康影響を、培養細胞や動物を用いて実験的に評価します。また、影響発現機構の解明をめざします。

環境中の様々な因子が健康に及ぼすリスクを評価するためには、実際に生活している人々が、一般環境において曝露された場合の結果として生じる健康事象の分布や頻度について評価する環境疫学研究が重要です。環境疫学研究では、適正な曝露評価や、曝露と健康影響の関連を定量的に評価する統計手法を検討して、環境因子が疾患の発生や症状に及ぼす影響について定量的に評価するとともに、環境因子の影響を受けやすい集団(高感受性集団)についても明らかにします。

高野裕久教授 Professor Hirohisa Takano
在学生の声『身近な問題を研究テーマに』
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